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とんび出版という文芸創作団体の大山三ダース、満天スモッグ、原想一朗による日々の雑記です。

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(2007/09/11)
ヴァシィ 章絵

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小説現代長編新人賞受賞第一作。
帯の惹句通り、『ワーホリ任侠伝』の勢いそのままに大幅にスケールアップした作品でした。

マラリアの予防接種で一人息子を亡くしたエリカは、大物政治家の陰謀でマラリアが流行っていることをつきとめる。顔を変え、高級デートクラブ嬢となって男に接近。エリカの復讐劇がはじまった――。


ミステリーとハードボイルドの香りを匂わせつつも、ジャンルに囚われない自由なストーリー展開です。細かい断章に区切ってあるのでダレることなく最後まで読みました。要所要所に挟まれるエロ描写も効果的に書き分けられています。カオルと富樫が結ばれるところは少々強引かなという気はしますが。
個人的には西武新宿駅とか関空とかイメージがわきやすくて、すんなりストーリーに入り込めました。作中、証拠を隠そうとするところなどかなり細かいところまで書き込まれているのですが、カヌーをつかって前時代的な登場をするなど張り詰めた空気を抜く部分もあってクスリと笑ってしまいます。

全体に他の作家と比較しがたい作風で、そのへんに強みがあるなあと思いました。


ヴァシィ章絵 | 【2007-11-10(Sat) 04:58:54】
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ワーホリ任侠伝
第一回小説現代長編新人賞を受賞したヴァシィ章絵『ワーホリ任侠伝』を読みました。

一流商社でイカの輸入を担当するOLヒナコ。パリス・ヒルトン似の彼女は高校時代からの夢、「海外に行くこと」を決意し、ワーキングホリデーのためにお金を貯め始める。なぜかそのために選んだバイトが水商売で、バイト先で出会ったリュウイチという男と恋に落ちる。このリュウイチが正体不明の男で、ある日別れ話をしたあとで撃たれて死ぬ。リュウイチは吉崎組というヤクザの組長の息子で跡目争いに巻き込まれていた。ヒナコにもふりかかる火の粉。ヒナコはホストクラブで出会ったニッキー・ヒルトン似のニッキー、リュウイチのボディーガードだったキシモトとともにニュージーランドへ逃げる。そこでもヒナコたちは陰謀に巻き込まれていくのであった。

とまあ粗筋を追うとこんな感じ。だいぶブッ飛んでる設定。
この作品の長短所は選考委員の選評によってほぼ言い尽くされているといっても良いでしょう。
エピソードを順番に無理矢理並べていったような文章は素人から見ても目につきます。ただそれが長所でもあって次から次へとマシンガンのように繰り広げられる展開によって読者は前へ前へと進まざるを得ません。これは長編、しかもエンターテインメントを書くときには必須の要素でしょう。私もあっという間に最後まで読み切りました。
ちょっとだけ難癖をつけさせてもらえば、少々感覚が古いというかバブリーな香りがしました。二十歳前後の登場人物がちょっとおかしいかなと。

これからに期待です。


ヴァシィ章絵 | 【2006-08-08(Tue) 23:07:14】
Trackback:(0) | Comments:(2)
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