![]() | 文芸の哲学的基礎 夏目 漱石 (1978/08) 講談社 この商品の詳細を見る |
講義中にこつこつ読みました。
夏目漱石による二つの講演を収録。
語りをそのまま文字に起こしたため、独特の味わいがあります。
「哲学的基礎」というだけあって、はじめは認識の問題からスタート。ここからどう文芸につなげていくんだろうと、のっけから興味をそそられます。我の作用を知情意の三つに区別して、その作用の働かせ方によって文筆家の目指す理想を真・善・美・荘厳にわけていきます。硬い内容のなかにも独自の例をあげて興味をそぎ落とすことがありません。このへんは流石です。
言葉の端々に漱石の人となりがうかがえて実に面白い。真・善・美・荘厳、四者の価値の平等を説き、他者の価値を壊すものは書くべきではないという言は、何でもありの今だからこそ大きな共感を抱かずにはいられません。

































































