![]() | ゼウスガーデン衰亡史 小林 恭二 (1999/11) 角川春樹事務所 この商品の詳細を見る |
払い下げの回転木馬、スマートボール、児童用パチンコ、ハリボテのゴジラ像、そんなみすぼらしいアトラクションを揃えて「下高井戸オリンピック遊戯場」はスタートした。創始者は双子の藤島宙一・宙二兄弟、彼らの卓越した手腕・奇想により「下高井戸オリンピック遊戯場」は「ゼウスガーデン」と名を変えて、ありとあらゆる欲望を吸収した巨大な快楽の王国となってゆく。藤島兄弟の手を離れたあとも、治外法権の獲得、日本国の国家予算を遥かに超える収益をあげて、「ゼウスガーデン」は世界に覇をとなえる一国家として隆盛を極める。果てなき人間の欲望と快楽の狂走を20世紀末から21世紀末までの百年という壮大なスケールで描く長篇。
作中には思いつく限りのアトラクションが描かれ、「ゼウスガーデン」の異常な熱気が伝わってきます。面白いことに、時代とともに(ゼウスガーデンの発展とともに)人間の思考も行動も刻々と変化していきます。そんな人間たちが「ゼウスガーデン」の利権をめぐって滑稽な争いを繰り広げる。アトラクション管理者たちの対立や地域ごとの対立は戦国時代の様相を呈しています。ラストは少々強引というか、こういう風に話を進めるために書いてきたんだろうなと思いました。仰々しいタイトルとは違い、中身は細かいエピソードのオンパレードなので、なかなか読みやすいかと思います。

































































