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Author:とんび
とんび出版という文芸創作団体の大山三ダース、満天スモッグ、原想一朗による日々の雑記です。

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悲の器
悲の器 / 高橋 和巳
ちょっとずつ読んでいたので意外に時間がかかりました。
おもしろかった。

妻を喉頭がんで失った著名な刑法学者である正木典膳は数年にわたり家政婦米山みきと二人で暮らしていたが、大学教授栗谷文蔵博士の娘・栗谷清子と再婚することになった。ところが米山みきにより地方裁判所に対し、不法行為による損害賠償請求が提起された。長らく法の道に生き、法をもって人を律することを己の学問的信念とする正木典膳は名誉毀損の訴えを起こして戦いを挑んだ。

大体こんな感じの話で現在と過去を往き来しながら進んでいく。
密度の濃い観念的小説だが、むしろ文章そのものは無駄がなく読みやすく思えた。しかし、何時間も続けて読んでいるとちょっとしんどくなってくる。一般に否定的に捉えられる人間の側面を丹念に意識的にあぶり出していく。主人公である正木典膳は日常のなかで「好印象」をほとんど何者に対しても抱かない。観念に対してのみ正対している。日常を「生きる」感覚に希薄な典膳の姿は現代人として共感を生む。けれどもリアリズムに過ぎるこの小説は小説内に現れる典膳の息子や学生を代表する「現代人」にとってはリアルになり得ないのだろうなと思う。
典膳の最後の悲しすぎる一言も結局外に発せられることなく終わる。


大久保町の決闘 / 田中 哲弥
またまた田中哲弥。これはまさに吉本新喜劇的というか舞台的というか。
ほとんど外見とか性格とかを描写しないでも美少女をここまで生き生きと表現できるのはホントすごいと思う。

高橋和巳 | 【2006-06-30(Fri) 01:37:46】
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遊星よりの昆虫軍X
遊星よりの昆虫軍X / ジョン スラデック
今日アマゾンから届いたので早速読んでみました。
抱腹絶倒とまではいきませんが笑える作品です。ストーリーを追うのは楽なんですが、元ネタの範囲が広範にわたるうえに、話も入り組んでいるのでちゃんと理解できているかは少し心許ないです。
訳者ホームページに訳注があるのでこれを見ながら読むのもいいんじゃないでしょうか。
田中哲弥ともどこか似たところを感じます。


ジョン・スラデック | 【2006-06-29(Thu) 00:06:47】
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砂漠の惑星
砂漠の惑星 砂漠の惑星
スタニスワフ レム (2006/06)
早川書房

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ハヤカワ名作セレクションによる新装版。
これぞSFという内容。やはりSFを読み始めるなら巨匠の作品からで間違いないのではないでしょうか。
字が大きくなっているのでレムの多作品に比べても読みやすいと思います。レムといえば『ソラリスの陽のもとに』が有名ですが、緊張感や密度では劣らないかもしれません。
ただ取り上げている題材や文章そのものがソラリスに比べてもっとSFしているし「愛」といったものも一切排除されているので楽しめない人にはまったく楽しめないだろうなとも思いました。
ホメオスタシスを持つ自動機械同士による生存競争、その淘汰の過程で進む「死んだ」進化とでもいうべき順応。いやー面白いですよ。普通に。


スタニスワフ・レム | 【2006-06-27(Tue) 02:18:44】
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さよなら
さよなら妖精 さよなら妖精
米澤 穂信 (2006/06/10)
東京創元社

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最近本屋でやたら見かける『春期限定いちごタルト事件』『夏季限定トロピカルパフェ事件』の作者の青春日常ミステリ。
これはなかなか判断に困ります。ミステリとしてはまったく面白くないし、かといって青春小説としてはリアリティの問題で楽しめませんでした。セリフ回しとかもいちいち気になってしまって邪魔をしてきます。でも別に読んで時間の無駄だったとかは思わないので最低限には達しているんでしょう。ダラダラ長いのを書いたのも読んでみたい気がします。



米澤穂信 | 【2006-06-20(Tue) 01:59:58】
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mouse
MOUSE(マウス) MOUSE(マウス)
牧野 修 (1996/02)
早川書房

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幻想を描いたものは難解過ぎて取り残される場合とかゴテゴテと装飾的に書きすぎて陳腐になってしまう場合などが多いが、これはなかなかすんなり入り込めた。
ただ最後にネバーランドの内の現実、言い換えれば幻覚が、実際に形を伴って境界(橋)を突破して外の現実へと歩みだすのは今イチな終わり方だった。誰でも思いついてしまうようなラストなのが残念。まあオチをつけるということについて著者があまり興味がないようなので仕方がないが。
傀儡后も機会があったら読みたい。


僕は天使ぢゃないよ 僕は天使ぢゃないよ
斉藤沙稚子 (2004/03/12)
ビデオメーカー

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これはなかなか好きな感じ。
主人公の女の魅力に引き込まれる。

牧野修 | 【2006-06-18(Sun) 19:55:41】
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ミッション
ミッションスクール ミッションスクール
田中 哲弥 (2006/05)
早川書房

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やみなべの陰謀から二ヶ月もたたずに出ました。
さらにわけわからなくなってるけどやけに感動的なラスト。
ひたすらネタの連打で小説を書ききってます。


不詳の人 不詳の人
不詳の人 (2006/05/26)
BBMC

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山下敦弘監修(監督?)作品。
山下作品常連のあの人を軸に展開する2本の映画?が収録されてます。
おもろいけどやっぱ限界が見えてるなあという感じ。もうこのパターン以外は撮れないんでしょう。
ただみんな演技が上手い。演出なんでしょうかね。

田中哲弥 | 【2006-06-14(Wed) 03:20:42】
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レイクサイド
レイクサイド レイクサイド
東野 圭吾 (2006/02)
文藝春秋

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東野圭吾をはじめて読んでみました。
いやーいまいち。
ミステリーを普段読まないから上手いとか下手とかはよくわからないんですが、これはエンターテインメントとしてちょっとどうかと思います。


猛スピードで母は 猛スピードで母は
長嶋 有 (2005/02)
文藝春秋

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芥川賞受賞作。
どこかで読んだような話。文章はスマートだしユーモアもほどほどにあるけど別に他の作品が読みたくなるような魅力は感じられませんでした。良くも悪くも癖が足りない。


椋鳥 / 古井 由吉
女を執拗に描いた作品。
流麗な文章にちょっとノックアウトされかけました。
言葉の使い方が一風変わっているけど厳密な使い方してます。


東野圭吾 | 【2006-06-12(Mon) 03:34:23】
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