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Author:とんび
とんび出版という文芸創作団体の大山三ダース、満天スモッグ、原想一朗による日々の雑記です。

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目を擦る女
目を擦る女 目を擦る女
小林 泰三 (2003/09)
早川書房

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小林泰三の文庫オリジナル作品集。
SFのようなホラーのようなミステリーのような短編が7つ。すべてガツンと衝撃を与えてくれるオチが付いていて「この次はどうなるんだろ」と思ってどんどんページが進みます。
けっこうややこしいことを書いているんですが文章自体が明快なので消化不良になりません。日常をひっくり返すような仕掛けもてんこ盛りです。
読んでいる間は決して退屈しないことを請け合います。

小林泰三 | 【2006-08-28(Mon) 04:39:02】
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超人計画
超人計画 超人計画
滝本 竜彦 (2006/06)
角川書店

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ということでこれも読んでみました。小説のようなエッセイのような。
立ち位置としては引きこもり、ダメ人間でどうしようもなく暗い話になるはずなのですが、作者のバランスがいいので面白く、そして切なく読ませます。なんというかユーモアがいいですね。ちょうどいい。適度に笑える。


滝本竜彦 | 【2006-08-25(Fri) 00:26:18】
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ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
滝本 竜彦 (2004/06)
角川書店

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面白かったです。カバー絵が印象的でいつか読んでみようと思っていました。

チェーンソーをもった不死身の男と戦うセーラー服の美少女雪崎絵理。たまたまその戦いの場に出くわした平凡な高校生山本陽介。絵理は悪の根源を倒すため、山本は非日常を楽しむため、毎日をチェーンソー男との戦いに消費していく。徐々に距離の縮まる二人。しかしそんな日々にも山本の引っ越しによる終わりが近づき、戦いは最終決戦を迎える。

最初から最後までほとんどたるみがありません。期待通りの展開。
平易な文章で書かれていますが、逆に嫌みがないので歳をとってから読んでもある程度以上楽しめるであろうエンターテインメントの秀作。まあ10代のときに読んだらもっと面白く思えるのでしょうが。
解説の西尾維新曰く、絵理と山本の二人は別々に語られるべきだということですが、まさしくその通りだなと思いました。出会いも偶然だし、チェーンソー男と対峙する理由も別々、設定上で重なる部分もほとんどありません。だからこそこの物語が活きてくるのだと思います。特に三章から終章に至る箇所はハッピーエンドのほうへ転がっていくのですが、なにかしら切なさのような感情を伴います。
恋人の関係にせよ友人の関係にせよ、もしくは家族の関係にせよ、一番ドラマチックになるのはつくりあげるまで、なのでしょう。


滝本竜彦 | 【2006-08-24(Thu) 14:56:10】
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北森鴻
定休日なのに、新刊出し作業のためお店に行きました。
お昼に終わったので、みんなでごはんを食べました。初めてお昼からお酒を飲みました。

狐罠 狐罠
北森 鴻 (2000/05)
講談社

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北森鴻が最近きてる、とのことで棚で密かに展開中。
だいたい特集するときは自分が未読のものが多いので(情けない・・・)、後で自分も読むことになります。「狐罠」と「メビウスレター」と「支那そばの謎」を面見せしてるのですが、狐罠だけ棚に収まりきらなかったため、まずこれを購入。最近文庫買うときってこんなパターン多いです。たまに新刊で欲しいのがあっても、1、2冊しかないときは断念します。せめて3冊ぐらいにしていただけないものか。
あ、話がそれましたな。
で、「狐罠」ですが。主人公は骨董を商う旗師です。綺麗な女性の設定。古美術ミステリーです。私は骨董品とかに興味があるので、贋作を作る工程など、なかなかおもしろく読めました。でも事件の部分や謎解きに関してはちょっと物足りないような。最後の格闘場面が痛々しくて苦手です。
さくっと読めたので面白いとは思うんですけど、うーん。もしかするとミステリー自体が苦手なのか?
でも今日図書館でメビウスレターと凶笑面Iを借りました。結局はまってるのかも。

スモッグの本屋日記 | 【2006-08-23(Wed) 20:45:47】
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帰省
十日間ほど実家に帰ってました。
鈍行列車で帰ったので16時間ほどかかります。車中でさくっと読めるものをと思い、『愛のひだりがわ』と『月光とアムネジア』を買って電車に乗りました。
愛のひだりがわ 愛のひだりがわ
筒井 康隆 (2006/07)
新潮社

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月光とアムネジア 月光とアムネジア
牧野 修 (2006/08)
早川書房

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『愛のひだりがわ』はジュブナイル小説。左腕にケガを負った少女のさわやかな成長物語。机のうえに置いといたら母が読んで「筒井康隆ってこんなの書くんだねえ」と言っていました。
『月光とアムネジア』はハヤカワの新刊なので一応チェック。以前読んだMOUSE(マウス) よりも小さくまとまってしまっている感はありますが、世界観の魅力は充分にあります。これもまた机のうえに置いといたら、姉がチラ見して「この表紙キモイ」と一蹴。これでもだいぶマシなほうだと思うんですが…。

いっぽう私は、姉が新幹線のなかで読んできた『重力ピエロ』を拝借。
重力ピエロ 重力ピエロ
伊坂 幸太郎 (2006/06)
新潮社

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うーん。これは面白いっちゃあ面白いけど…。
中盤は読んでても楽しくなかったです。主人公たちが幼稚というか小説の主人公然としすぎています。会話もモサいし、謎解きがある意味「捨て謎」というか、別にこんな紙幅を割く必要はないんじゃないかなとか考えてしまいました。でもまとめの力技のおかげで後味としては決して悪くありません。伊坂作品はもうひとつぐらい読んでみよう。



伊坂幸太郎 | 【2006-08-21(Mon) 01:58:12】
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停電
ただ今、お盆で書籍の配送がお休みです。
というわけで久々に、たまってる書類をゆるりと整理したりなんかして。しかし整理下手なので、いまいち整然とせず。

今日のお昼前、急にお店が停電。停電inお店に遭遇したのが初めてで、戸惑いました。停電の直後、「コミック売り場だけは見てて!」とすばやく指示を出した社員さん・・・さすがです。
もちろんレジの電源も切れているので電卓をスタンバイ。でも、こんなときに本をレジに持ってくる人はいないだろうし、使わないよねーと思っていたら、来ましたよ。
えっ、今ですか。もうちょっと待っていただいても・・・。


音と光が急にふっとなくなるのは、一瞬意識が飛ぶというか、落ちる感じがしてけっこう恐怖でした。エレベーターに乗ってるときじゃなくて本当によかった。




スモッグの本屋日記 | 【2006-08-14(Mon) 23:54:23】
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神様のパズル
神様のパズル 神様のパズル
機本 伸司 (2006/05)
角川春樹事務所

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いやーなかなか面白かった。

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味とい穂瑞。だが究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。

主人公の綿さんこと綿貫基一は留年ギリギリで、大してやりたいこともないまま就職活動をしている。一方穂瑞は飛び級で大学に入ったほどのスーパー天才児。境遇は違えど「自分とは何か」という根本に疑問をもっている点では変わらない。お互い惹かれ合うところがあるらしくゼミ内では二人で組んで「宇宙を作る」ことについて研究する。穂瑞は国家規模のプロジェクトの基礎理論をたてた人物としても有名で、有名人にありがちな誹謗中傷も多く受けている。ゼミ内での人間関係なども絡まって話に勢いが出てきたところで穂瑞が「宇宙の作り方」が発見する。そこからはどんどん人間模様を描くほうにシフトされていきます。
正直、綿さんと穂瑞がくっつくというのが読者なら誰でも期待する流れだと思うのですが、ちょっと残念でしたね。まあくっついたらくっついたで、「そんな安易な」って思うんでしょうが。
登場人物たちの性格の汚さっぷりとか軽さとかがリアルでいいですね。穂瑞はまさにツンデレですが書かれているのがツンばっかりだったので、もっとデレが見たかったというのが正直なところです。

機本伸二 | 【2006-08-11(Fri) 02:46:21】
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ハリガネムシ
ハリガネムシ ハリガネムシ
吉村 萬壱 (2006/08)
文藝春秋

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芥川賞受賞作の文庫化。
教師である主人公がソープ嬢サチコと出会い自分のなかの「ハリガネムシ」が目覚めてゆく。
「私」の性格が人間くさいというか元々「悪」の印象を強く抱かせるため、後半の変身ぶりがすんなりと受け入れられます。これでもかというくらいサディスティックに身体を傷つける場面を描くので、すこし目を背けたくなりますが、それが読者を巻き込む大きな力になっている気がします。解説が中原昌也っていうのもぴったりすぎです。とりあえず万人に薦められるものではありません。

吉村萬壱 | 【2006-08-11(Fri) 00:11:39】
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ワーホリ任侠伝
第一回小説現代長編新人賞を受賞したヴァシィ章絵『ワーホリ任侠伝』を読みました。

一流商社でイカの輸入を担当するOLヒナコ。パリス・ヒルトン似の彼女は高校時代からの夢、「海外に行くこと」を決意し、ワーキングホリデーのためにお金を貯め始める。なぜかそのために選んだバイトが水商売で、バイト先で出会ったリュウイチという男と恋に落ちる。このリュウイチが正体不明の男で、ある日別れ話をしたあとで撃たれて死ぬ。リュウイチは吉崎組というヤクザの組長の息子で跡目争いに巻き込まれていた。ヒナコにもふりかかる火の粉。ヒナコはホストクラブで出会ったニッキー・ヒルトン似のニッキー、リュウイチのボディーガードだったキシモトとともにニュージーランドへ逃げる。そこでもヒナコたちは陰謀に巻き込まれていくのであった。

とまあ粗筋を追うとこんな感じ。だいぶブッ飛んでる設定。
この作品の長短所は選考委員の選評によってほぼ言い尽くされているといっても良いでしょう。
エピソードを順番に無理矢理並べていったような文章は素人から見ても目につきます。ただそれが長所でもあって次から次へとマシンガンのように繰り広げられる展開によって読者は前へ前へと進まざるを得ません。これは長編、しかもエンターテインメントを書くときには必須の要素でしょう。私もあっという間に最後まで読み切りました。
ちょっとだけ難癖をつけさせてもらえば、少々感覚が古いというかバブリーな香りがしました。二十歳前後の登場人物がちょっとおかしいかなと。

これからに期待です。


ヴァシィ章絵 | 【2006-08-08(Tue) 23:07:14】
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太陽の塔
太陽の塔 太陽の塔
森見 登美彦 (2006/05)
新潮社

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当時、京大生だった森見登美彦が日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品。
京都左京区に生息する失恋した男の手記が綴られる。「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」こういう信条をもつ休学中の大学五回生の「私」。「私」には大学三回生のときに水尾さんという彼女ができた。しかし二回目のクリスマスを待たずに「私」はフラれてしまう。付き合っている頃から私は「水尾さん研究」を続けている。水尾さんに好意を寄せる男、遠藤。「私」と同じ信条のもとにゆるーい結束を見せる四人組。見つめられたら誰しもが萎縮してしまう視線を持つ、「邪眼」こと植村嬢。ダメダメだけど魅力的なキャラクターが冬の京都を疾走する。

とまあ、適当に要約するとこんな感じ。でもファンタジーの賞をとっただけあって物語のなかに幻想的妄想的断片が盛り込まれてます。とくにラストシーンは圧巻。虚実入り交じって何が本物かわかりません。正直ギャグ的な要素はスベっている部分もありますが愛すべきキャラクターと共感を呼ぶ日常生活の描写、そしてホロリとくるストーリーは一度読んでみる価値があると思います。

森見登美彦 | 【2006-08-03(Thu) 02:28:41】
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神狩り
神狩り / 山田 正紀
最後の方で失速した感は否めないですが傑作ですね、これは。
なんといってもこれを23〜24歳くらいで書いたってのがすごいです。
恐ろしく小慣れた文章と、先へ先へと読ませる大胆な筋書き。
まあ、決して神を狩ってはいないし、それどころか神が仕組んだ〈古代文字〉もいっさい解読出来ていないわけですが。
語りえぬものについて語るという姿勢は驚嘆に値します。
「世界が私の世界であることは、言語の限界が私の世界の限界を意味するということに示される」というウィトゲンシュタインの言葉を道しるべにしたと思われる『神狩り2』も読んでみたいですね。こっちの評判はあまり良くないみたいです。


あ、スモッグ氏から読めと言われて米澤穂信のいちごタルトなんちゃらと夏季限定なんちゃらを読みました。割と面白かったです。でも日常生活のミステリはちょっと無理があるような気がしました。

山田正紀 | 【2006-08-01(Tue) 16:09:42】
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