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Author:とんび
とんび出版という文芸創作団体の大山三ダース、満天スモッグ、原想一朗による日々の雑記です。

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サラマンダー殲滅
サラマンダー殲滅(上) サラマンダー殲滅(上)
梶尾 真治 (2006/09/07)
光文社

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『黄泉がえり』などで有名なカジシンこと梶尾真治の第12回SF大賞受賞作。前から読みたかった本でした。以前ソノラマ文庫から出ていたものが復刊。タイトルといい上下巻になる長さといいハリウッド的なものを思い浮かべます。読んでみたらまさに娯楽大作といった感じでした。

テロにより夫と愛娘を失った女性、神鷹静香。彼女の壮大な復讐劇。
過酷な訓練により女戦士へと変貌を遂げていくが、心にはめられた枷を取り除くためにみずから記憶を喪失させる薬を飲む。静香を慕う軍人の夏目、静香に訓練を施した女戦士ドゥルガー、航宙士を夢見る青年ラッツオ。彼らは力を合わせて巨大なテロ組織汎銀河聖解放戦線の本部がある灼熱と極寒の惑星へ降り立つ。


これ以外にもたくさん登場人物が出てきます。その人たちが物語内でちゃんと機能しているかどうかは疑問ですが話の筋が次から次へと展開していくのであまり気になりません。作者は「短編の名手」といわれていますが、一個の長編としては少々ぎこちない点があったかなという印象です。

上下巻で読むのに時間もかかるし(海外のこういった作品に比べれば読みやすいですが)、面白さとしてもギリギリのラインだと思うので、おすすめするにはちょっと勇気がいります。



梶尾真治 | 【2006-09-26(Tue) 16:09:11】
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たまには少女漫画でも
この秋、初めて長袖を着てバイトに行きました。長袖はなんか落ち着きます。

今日、楽しみにしてた漫画の新刊が出ました。

君に届け 2 (2) 君に届け 2 (2)
椎名 軽穂 (2006/09/25)
集英社

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まだ画像でてなかったです、ごめんなさい。
少女漫画なんですけども。主人公の女の子は見た目の陰気さで「貞子」とか呼ばれていろいろ誤解されてて、でもそれがだんだん……みたいな内容です。で、男の主人公がめちゃさわやかで人気者で、いや、そんなやつおらん!そんなことは言わん!!みたいな、もうまさに少女漫画なんですけど。でも少女漫画はこういうのがいいんでないかと思います。しかし!この漫画はそれだけじゃないのです。正直なところを申しますと、私は2巻で3回ぐらい泣きました。2巻は恋愛ではなく、友情がメインで描かれてまして、いやそれがまた。若い人が読んだらなおさらいいかと。
主人公の女の子は、すごいいい子でまっすぐだけど変で面白い部分もあるので親近感持ちやすいし、だから感情移入もしやすいのかな。

少女漫画といえば、これも面白かったです。

夏目友人帳 1 (1) 夏目友人帳 1 (1)
緑川 ゆき (2005/10/05)
白泉社

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妖怪が見える少年夏目は、祖母レイコの遺品である妖怪たちとの契約書「友人帳」を手にすることになり、用心棒ニャンコ先生とともに妖怪に名を返す日々を送ることに……というあらすじ。絵が雰囲気があって良いです。ニャンコ先生が、キモかわいい。これは男子にもおすすめでございます。買うのも恥ずかしくありません。

どちらの漫画もまだ2巻目ですので、集めだすにはよいですぞ。


スモッグの本屋日記 | 【2006-09-26(Tue) 02:44:50】
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サウダージ
サークルの夏合宿で三泊四日沖縄に行ってきました。
写真もいっぱい撮ってきたのでそのうちアップするかも。


サウダージ サウダージ
盛田 隆二 (2004/09)
角川書店

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うーむ、どうなんでしょうかこれは。
文章が読みやすく、性描写とかも盛り込んでサクッと読めてしまうんですが、何かが足りない。というかあまり伝わってこない。長さの割に登場人物が多いというのも中身が薄まっている一因だと思いますが……。もうすこし深くなったら面白くなりそうな題材ではあります。

盛田隆二 | 【2006-09-23(Sat) 00:51:34】
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
京都はすっかり涼しくなってきました。
夏が終わると思うと寂しいですね。服に金がかからなくて好きな季節なのですが。


今回はバリバリのライトノベルです。
「このライトノベルがすごい!2006」総合ランキング第三位。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
桜庭 一樹 (2004/11)
富士見書房

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普段なら絶対手に取らない本なんですが、先輩がこれけっこういいよって言っていたので乗っかって読んでみることに。

いやーなかなか救いようのない話で。
冒頭1ページ目から主役級の登場人物がバラバラ死体で発見されるところからはじまります。ということで読者は早くも結末を知ることとなります。そこへ至る話が語られていく。砂糖菓子の弾丸とは何なのか。死んでしまった少女は何ものだったのか。
田舎に住む中学生の鬱屈した気持ちがドバッとてんこ盛り。読みはじめはなんか文章がぎこちなくて頭にスッと入ってこなかったんですが、後半、人間の汚い部分が描かれるにつれて面白くなってきます。


カンフーハッスル カンフーハッスル
チャウ・シンチー (2006/07/26)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ストーリーを度外視した無茶苦茶な作り。こういうの好きです。
チャウ・シンチー、やりたい放題。
名作映画のパロディを盛り込んで、CGも使いまくり、愛もアクションも悪も正義も笑いもグロもごちゃまぜ。面白かったです。あ、あと小便かけられたり、屈辱とか挫折の描き方が極端。無理矢理ストーリーを展開させる常套手段ですね。
とにかく香港映画とか中国映画はヒロイン役の選び方に間違いがありません。めっちゃかわいい。

桜庭一樹 | 【2006-09-14(Thu) 16:37:47】
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永遠の森
永遠の森  博物館惑星 永遠の森 博物館惑星
菅 浩江 (2004/03/09)
早川書房

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「ベストSF2000」国内篇第一位、星雲賞、日本推理作家協会賞を受賞した作品。
設定はSF、内容は軽いミステリー。連作の形式をとっているので、探偵小説のシリーズものを読んでいるような感覚です。

 地球からおよそ三十八万キロ上空に浮かぶ、オーストラリア大陸ほどの表面積をもつ小惑星、その惑星まるごとが博物館〈アフロディーテ〉である。この未来の博物館には人類が生み出したありとあらゆる芸術品が収蔵されている。そしてこの巨大な博物館は、音楽・舞台・文芸部門の〈ミューズ〉、絵画・工芸部門の〈アテナ〉、動植物部門の〈デメテル〉に分かれ、それぞれが膨大な知識を集積した独自のデータベースを持っている。学芸員たちは脳外科手術によってこのデータベース・コンピュータに直接接続されており、それを駆使して日々、収蔵品の分析、鑑定、研究を行っている。しかし、博物館が各部門に細分化されていようとも、芸術品はそう簡単に部門に選別出来るものではない。しばしば3つの部門間の収蔵品争奪戦や、複雑な用件のたらい回しが起こる。そこで、博物館は、すべてのデータベースに介入できる総合管轄部署〈アポロン〉を設置し、部門間の調停とグローバルな視座からの分析検討を求めた。
 主人公の田代孝弘はこの〈アポロン〉の学芸員で、テクノロジーを駆使して収蔵品の秘めたる由来や価値を解き明かす訳だが、謎はいつも一筋縄にいくわけではない。どのように芸術品と向き合えばいいのか。些末な事柄に身を晒すうちに薄れていく感覚。美の代弁者であり、案内人である学芸員と人工知能は、その感覚とどうやって向かい合うべきなのか。それが連作全話を通して問われる。


 一応、一話ずつで完結している話ですが、それぞれの話が絡まり合って大きな問いの答を導きだすという連作の醍醐味が味わえる作品となっています。設定からして周到です。未来そして地球から距離を置いた星、三つ巴の各部門、神々の名からとった名前、ラストにようやく姿を現す謎に包まれた主人公の妻、相棒の中年学芸員、そして選民思想が強く生意気でトラブルメーカーの新人学芸員。
 設定に弛みがなく、それでいて壮大、けれど内容は学芸員の日常。このバランスが良いです。


逆噴射家族 逆噴射家族
小林克也 (2001/05/25)
ジェネオン エンタテインメント

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ひさしぶりにレンタルビデオ屋へ。
これは面白かった。最近見た中ではダントツ一番。
変人ばかりの家族。ひとりだけ普通に見えるお父さん。けれど徐々にその狂気が露になって……。ラストのカタルシス過ぎるカタルシス。
一種敬虔な気持ちにすら包まれました。といえば言い過ぎでしょうが、ちょっと感動しました。
役者たちの演技も秀逸。オーバーに描かれた登場人物たちは現在でも充分通用する刺激をもっています。ところどころワザと詰めの甘い感じにしてあるところは笑けます。最近のうすらぼんやりしている映画と違ってやりたいことがはっきりしている映画だと思います。
まあ合わない人にはとことん合わないかもしれません。

菅浩江 | 【2006-09-13(Wed) 17:29:14】
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熊の敷石
ひさしぶりに大学に行ったら購買が新しくなってました。
うちの大学に似つかわしくない感じです。

ついでにブックセンターに寄って本を物色。
熊の敷石 熊の敷石
堀江 敏幸 (2004/02)
講談社

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とりあえず表題作だけ読みました。芥川賞受賞作。
なんというか、つかみどころのない不思議な作品。

フランス滞在中、〈私〉は旧友のヤンに会いにモン・サン・ミシェルの近くの田舎を訪ねる。そこで語られたのはユダヤ人の歴史と経験、そして家主の女性と目の見えない幼い息子に出会う。

淡々と描かれていくんですが、ひとつひとつの文章が繊細です。いろんなものを詰め込んで書いたのとは違う濃密さがあります。熊の敷石というタイトルもなんのこっちゃと思いましたが、読んで納得。確かにこれ以外のタイトルはない。そして終わりかたは……これまた不思議な余韻を残します。
でもやっぱりこういうのは売れないでしょうね。

無の障壁 無の障壁
光瀬 龍 (1978/09)
早川書房

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これは梅田の古書店街で購入。
幾千億、幾千億、幾千億……。この単語が頻出して笑ってしまいました。
内容はいたって正統です。

堀江敏幸 | 【2006-09-12(Tue) 00:02:53】
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夜のピクニック
夜のピクニック 夜のピクニック
恩田 陸 (2006/09)
新潮社

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第二回本屋大賞受賞作。文庫化ということで読んでみました。

高校生活最後の行事〈歩行祭〉。全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという過酷なイベント。甲田貴子と西脇融は三年間誰にもいえなかった秘密を清算するため歩行祭にのぞんだ。

80キロ歩くだけの話で劇的な展開もないのに退屈せずに読みました。
何がいいって会話がいいです。まあ歩くだけなので会話以外で惹きつけるのは逆に難しいですが。
他愛もない会話の間に二人の関係が明かされていきます。明かしたところでネタバレってほどではありませんが、一応知らないで読んだほうが面白いでしょう。
登場人物も魅力的。映画もちょっと観てみたくなりました。

永遠の青春小説というキャッチコピーがしっくりきます。本屋大賞では博士の愛した数式と東京タワーに挟まれてちょっと影の薄い感じの本作ですが、文庫化を機にもっと多く読まれていくのではないでしょうか。

恩田陸 | 【2006-09-08(Fri) 23:28:43】
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マイケル・K
マイケル・K マイケル・K
J.M. クッツェー (2006/08)
筑摩書房

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2003年にノーベル文学賞を受賞した作家J.M.クッツェーの作品。

内戦下の南アフリカ。マイケルは生まれつき口唇が裂けており、それに頭の回転が遅いという理由で学校から追い出され、残りの子供時代を似たような境遇の子供たちが集まるノレニウス学園で送った。学園で学んだ専門的技術により庭師となったマイケルだが、長く働いた公園から一時解雇を申し渡された。手押し車に病気の母を乗せて、騒乱のケープタウンから母親の生誕した内陸の農場をめざすマイケル。

第一章は、南アフリカの大地を歩きながらさまざまな暴力を受け痩せ細っていくマイケルが描かれている。母親は早い段階で死ぬ。遺灰を持って母親を故郷に返してやったマイケルだが、目的を達成しても今度は自らが生きていくという難題をこなさなければならない。畑を耕し種を蒔くが、いつしかそれは食べるための行為ではなくなっていく。マイケルは空腹のなか、ひたすら眠り現実と夢を往き来して限りなく死へと近づいてゆく。

第二章は、マイケルが病人を収容するキャンプに入るところからはじまる。第一章の三人称ながらもマイケルの独白となっていた形式に対し、この章では病院の若い医師が語り手となっている。まったく食事をとらずほとんど何事も語ることのないマイケルに興味を持ち、徐々に惹かれ、理解しようともがく医師の思考を通して読者は第一章のマイケルの行動を新たに考えていくこととなる。

第三章では病院から脱出しケープタウンへと戻るマイケル視点から描かれる。そこでもマイケルは慈善という歪んだ暴力を受ける。

結局、最後まで救いようのない話と言えばそうなのですが、読んでる側はマイケルの内からも読むことが出来るのであまり悲愴感がありません。
マイケルと周りの登場人物の間には常に大きなギャップがあります。それはマイケルを唯一理解しようと努めた若い医師との間にも厳然と存在します。

内戦や人種差別といったテーマについては何も言及できません。が、この小説はそれらの大きなテーマをやり過ごしてもなかなか面白い作品だと思います。マイケルは南アフリカの社会を背景にせずには生まれ得ない人物ですが、ひとりの人間を描いている以上ひとりの人間のドラマとしても興味深く読めます。


NHKにようこそ! NHKにようこそ!
滝本 竜彦 (2005/06/25)
角川書店

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これまで読んだ滝本作品のなかでは一番良かったです。
特に最後のほうの「救いたい。だけど自分はダメ人間だから」という葛藤がもどかしくも共感を呼びます。作者がこれを書いていて苦しかったというのも頷けます。私は二カ所ぐらい爆笑ポイントがありました。

J.M.クッツェー | 【2006-09-07(Thu) 01:25:49】
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涼宮ハルヒ
ついに読んでしまいました。今さらですが。
涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流 (2003/06)
角川書店

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売れてるだけあっておもしろい。三年間で20刷以上ってすごいですね。
下手なマンガよりずっと面白い。一人称なのに五人ぐらいのキャラクターがはっきりと描かれています。こんな典型的なキャラクターにはまるかよと思いつつ読んでいったんですが、どっぷりハマってしまいました。男心くすぐられっぱなし。イラストも言うことなし。
淡々としているキョンの語り口も良いです。


涼宮ハルヒの溜息 涼宮ハルヒの溜息
谷川 流 (2003/09)
角川書店

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ということで二冊目も同時購入。
評判通り、ちょっと失速してます。盛り上がりがない。
キョンのカギカッコのつかない独白からどんどん会話がつながっていくという形式がこのシリーズの特徴だと思うんですが、ひとつ間違えば普通の高校生の身辺雑記になってしまう、という悪い部分がいくらか表に出てきている気がします。この巻では涼宮ハルヒに好印象を抱くことができません。すべてキョン視点なので、他の登場人物に悪い印象をもった場合それを覆すのが難しい。ハルヒがただのワガママ娘に見えてきてしまいます。
ただ相変わらず設定等は簡単すぎず難しすぎず、程よく納得出来ます。
シリーズ三冊目は評判も上々なので楽しみです。

でも20歳過ぎて読むもんではないなあ、本屋で買うのも抵抗あるし。

谷川流 | 【2006-09-04(Mon) 23:19:32】
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神々自身
神々自身 神々自身
アイザック・アシモフ、アイザック アシモフ 他 (1986/05)
早川書房

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久しぶりの本格的なSF、しかも御三家ということで集中して読みました。

面白かったです。話が二転三転して驚きの連続。
古典の部類に入るのに最近のものよりよっぽどエンターテインメントしてます。

近未来、タングステンと交換に〈パラ宇宙〉からプルトニウム186がもたらされることが判明した。この発見は二人の学者の運命を分つこととなる。ひとりは夢のエネルギー交換の仕組み〈エレクトロン・ポンプ〉を産み出しエネルギー問題の救世主となり、もうひとりは学者人生との離別を余儀なくされる。一章では地球での物語が語られ、二章では地球へエネルギーをもたらすパラ宇宙へと話が飛ぶ。パラ宇宙では3つのセックス(理性子、感性子、親性子)があり、それぞれの特徴がはっきりと分かれている。三体は三つ組と呼ばれ、人間でいうところの性交は融交という名で呼ばれている。優れた理性子のオディーン、変わり者の感性子デュア、コドモを溺愛する親性子トリット、三体の日常が描かれていくが徐々に謎が提示される。硬属とはいったい何ものなのか?皆が恐れるエストウォルドとは何ものなのか?
三章では月へとシーンが移され、月に住むルナ人の観光ガイドと地球から来た物理学者風の男の交流を通してまた謎が明かされていく。


と書いていくと長くなるのでこの辺でやめます。
ごちゃごちゃとしながらも最後はきれいに収束します。
ハッピーエンドはやっぱり気持ちいい。

巨匠の十五年ぶりのSF長編というだけあってその力の入り具合が伝わってくる作品でした。傑作といっても差し支えないでしょう。SF入門としてもオススメ。ただ基本となる科学の知識が理系の人にとってはそれほど難しくないのでしょうが、根っからの文系人間である私にはこの程度でも限界です……。もっと勉強しなければなりません。

アイザック・アシモフ | 【2006-09-02(Sat) 22:32:01】
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