私の知人に、仏教における「悟り」とジークムンド・フロイトの理論を重ね合わせて研究している人がいます。その人が「これおもしろいよ」と勧めてくれた本。
私はフロイトについて、あまり詳しくはないですが、その知人の話を聞くたびにフロイトの理論に興味をひかれます。この間、アインシュタインの展示会を観る機会がありましたが、フロイトとアインシュタインが手紙のやりとりをしていました。その内容は、アインシュタインを主体とする平和活動に参加して欲しいという彼の要望に、フロイトが賛同するという内容でした。当時の知識人がいかに結びつきが強く、実践的に活動していたかを物語ってたように思います。
さて、話が最初からそれてしまいましたが、この本の著者もフロイトにかなり影響を受けた一人です。この方は、「史的唯幻論」という説を主張していることで有名らしいのですが、簡単にいうと、人間というのは本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」によって行動しているのにすぎない、という説です。この本では戦後の日本とアメリカの関係とその歴史を、史的唯幻論に基づいて説明しています。そして、著者はアメリカの子分となってしまった日本を、「強姦された女性」にたとえて説明します。多少過激な表現ではありますが、この本を読み進めていくのに従って、「なるほど」と思えてしまいます。「内的自我」「外的自我」という言葉が出てきますが、世間一般にいえばこ「本当の自分」「偽りの自分」ということができるでしょう。個人はこの両面性を兼ね備えているのです。著者はこのことを、個人から集団に発展させて、集団でも同じ事がいえると証明します。つまり、日本とアメリカとの関係における、日本の内的自我と外的自我の葛藤を歴史的に示しています。この点が非常におもしろかったです。
ただ、やはり著者の思想の最も根本的な部分である、「人間は本能の壊れた動物である」ということ理解することが最も大切であると思いました。おそらくこの部分がフロイトの発揮であるのですが、私は一度読んでみてこの部分をすっきりと理解する事ができなかったので、再度追求してみたいと思います。
![]() | 日本がアメリカを赦す日 (文春文庫) (2004/06) 岸田 秀 商品詳細を見る |
私はフロイトについて、あまり詳しくはないですが、その知人の話を聞くたびにフロイトの理論に興味をひかれます。この間、アインシュタインの展示会を観る機会がありましたが、フロイトとアインシュタインが手紙のやりとりをしていました。その内容は、アインシュタインを主体とする平和活動に参加して欲しいという彼の要望に、フロイトが賛同するという内容でした。当時の知識人がいかに結びつきが強く、実践的に活動していたかを物語ってたように思います。
さて、話が最初からそれてしまいましたが、この本の著者もフロイトにかなり影響を受けた一人です。この方は、「史的唯幻論」という説を主張していることで有名らしいのですが、簡単にいうと、人間というのは本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」によって行動しているのにすぎない、という説です。この本では戦後の日本とアメリカの関係とその歴史を、史的唯幻論に基づいて説明しています。そして、著者はアメリカの子分となってしまった日本を、「強姦された女性」にたとえて説明します。多少過激な表現ではありますが、この本を読み進めていくのに従って、「なるほど」と思えてしまいます。「内的自我」「外的自我」という言葉が出てきますが、世間一般にいえばこ「本当の自分」「偽りの自分」ということができるでしょう。個人はこの両面性を兼ね備えているのです。著者はこのことを、個人から集団に発展させて、集団でも同じ事がいえると証明します。つまり、日本とアメリカとの関係における、日本の内的自我と外的自我の葛藤を歴史的に示しています。この点が非常におもしろかったです。
ただ、やはり著者の思想の最も根本的な部分である、「人間は本能の壊れた動物である」ということ理解することが最も大切であると思いました。おそらくこの部分がフロイトの発揮であるのですが、私は一度読んでみてこの部分をすっきりと理解する事ができなかったので、再度追求してみたいと思います。
![]() | 塩狩峠 (新潮文庫) (1973/05) 三浦 綾子 商品詳細を見る |
ある人に「号泣するよ」と勧められた一冊。どうやらこの話は北海道の塩狩峠で起こった事件をもとにしているようで、臨場感あふれる内容となっています。そして、主人公の信仰が仏教からキリスト教へと転換していく点がおもしろいです。著者の文章からは、自身のキリスト教に対する信の側面と、北海道への愛着心をうかがうことができます。私も北海道出身ですが、私が考える北海道の魅力とは異なった側面が描かれていて、戦争直後の北海道というのは、いわゆる「おちこぼれ」が集まる場として描かれています。私はそのような歴史を意識したことがなかったので、新たな北海道観を知ることができたと思います。
この本を勧めてくれた人のように、号泣するとまではいかなかったけれども、著者の人間を観察する力には圧倒されました。特に、著者は女性であるにもかかわらず、男性の性的欲求や自尊心などの側面を、これでもかというくらい詳細に、そしてやさしい文章で表現しています。このように描けることが不思議とさえ感じてしまう一冊でした。
どうも。お久しぶりです。三ダースです。
本は読んでいるんですが、記事を書くタイミングがありませんでした。
ちょっと前に読んだこの本。
今までの作者の小説は「日常のちょっとした謎」を取り扱ったものが多いのですが、今回は直球勝負のミステリー。殺人も起きます。
閉鎖された館の中での七日間。ただそこにいるだけで高額の時給が保障されているアルバイト。一見接点がないようにみえる12人が集まりバイトはスタートします。しかし、その館の中にはなぜか監獄や霊安室という部屋があり、各人の部屋にはそれぞれ違った凶器が……。
多人数のキャラクターを動かすことによって散漫になりそうな話ですが、典型的な性格が設定されているのでイメージが湧きやすくなっています。各誌で絶賛されているようですが、まあ納得できる水準だと思います。王道といってもよい筋を書きつつも自分らしさを失わない作者の今後に期待です。
11月にいしいしんじの講演会に行くことになりました。相方がいしいしんじのファンなのでちょうどよかった。読書の秋ということでいろいろと活発に動いていきたい今日この頃です。
本は読んでいるんですが、記事を書くタイミングがありませんでした。
ちょっと前に読んだこの本。
![]() | インシテミル (2007/08) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
今までの作者の小説は「日常のちょっとした謎」を取り扱ったものが多いのですが、今回は直球勝負のミステリー。殺人も起きます。
閉鎖された館の中での七日間。ただそこにいるだけで高額の時給が保障されているアルバイト。一見接点がないようにみえる12人が集まりバイトはスタートします。しかし、その館の中にはなぜか監獄や霊安室という部屋があり、各人の部屋にはそれぞれ違った凶器が……。
多人数のキャラクターを動かすことによって散漫になりそうな話ですが、典型的な性格が設定されているのでイメージが湧きやすくなっています。各誌で絶賛されているようですが、まあ納得できる水準だと思います。王道といってもよい筋を書きつつも自分らしさを失わない作者の今後に期待です。
11月にいしいしんじの講演会に行くことになりました。相方がいしいしんじのファンなのでちょうどよかった。読書の秋ということでいろいろと活発に動いていきたい今日この頃です。




























































