![]() | 整体的生活術 (ちくま文庫) (2005/08/10) 三枝 誠 商品詳細を見る |
仏教の思想は、基本的に心を問題とします。よって、なかなか現実の生活論に結びつかないという悩みがずっとあります。しかし、考えてみると、心と身体の関係は、決して離して考えてはいけないのではないかと最近思ってきました。
この本の著者である三枝先生は、長年の整体指導により、「外経絡」という言葉にたどり着きました。外経絡とは、単的に言ってしまうと、「人間はロケーションで決まる」ということです。誰と付き合うのか、どんな場所に住むのか、何を食べるのか・・・など、どのような環境に身を置いているかで、自分がどのような人間になるのか決まってくるということです。
これは、一見当たり前のようなことを言っているようですが、なかなかこのことに気づいている人は多くないと思います。よく考えてみると、三枝先生自身が仏教に精通しているかはわからないですが、このことは、約2500年前にゴータマ・シッダルタ(仏陀)が発見した「縁起」という真理そのものであると思います。自分という存在は全てのものがつながりあって成り立っているでけである。つまり、自分という実体的なものはない。
よく、「自分を変えたい」という人が長期にわたって海外に旅立つことがありますが、これは外経絡のあらわれでしょう。ちなみにかの音楽家、坂本龍一氏が環境問題に興味をもったのも、三枝先生に出会い、外経絡を知ってからであるそうです。
某大学というかウチの大学でやってたのでスモッグ氏と行ってきました。
以下、簡単な要点(メモとってないので適当)。
前日まで北海道にいた(これ)とのことで、少々お疲れ気味のいしい氏。最初はテンション低いのかなと思いましたが、時間が経つにつれステージ上を行ったり来たり身振りつきで講演してくれました。
大竹伸朗氏の展覧会の話からはじまり、芸術についてちょこっと触れ、自身の若いころの話へ。ジャズが好きだったいしい氏はジャズ・ミュージシャンを目指しサックスを購入。シャガールの展覧会を見て「これだ」と思い、画家を目指す。芸大を受け不合格。ポスターとかつくる会社に入って下積みをしつつ再度芸大を目指すが、そこの社長にやめとけと言われる。普通の大学を目指して勉強して京大合格。京都ではいろいろな年配の方々と知り合い、卒業。知人の紹介で東京の会社に就職。仕事をしつつも海外旅行を繰り返し、滞在中の記録を文章で書いてお土産代わりにして同僚等に配っていたところ、その滞在記がめぐりめぐって出版社へ。こうしてデビュー作『アムステルダムの犬』が出版される。あ、作家になろう、と退職願と出したところ、あっけなく受理され退職。以後、しばらく貧乏な時代が続くが、大学時代の乱読で培われた知識を武器に様々なジャンルを書き散らし、ぼちぼち仕事を依頼されるようになる。そんなんでうやむやと作家業で暮らしていましたが、自分の核となる部分が空白なことに気づく。しかし、大阪の実家に戻った際に4歳半のときに書いた物語を読んで開眼。その後は『プラネタリウムのふたご』など次々に大作を上梓するなど活躍は周知の通り。
みたいな感じ。
二時間以上ぶっ続けで喋っていたのでもちろんもっと内容は濃いです。合間合間に笑いを挟むことも忘れないチャーミングな人でした。
創作の現場のことにも時間を割いていてなかなか興味深い内容でした。
氏曰く、小説を書いているときは頭より上の「コトバ」、頭より下のほうにある「コトバ以前」という二つの領域があって、「コトバ以前」の領域のなかで書くべき物語が大きくなるのを待つのだそうです。その書くべきものがある程度大きくなって「コトバ」の領域に顔を出したとき、タイミングを見計らって掴みあげる。あとはその書くべきものの輪郭や中身を慎重に書き出すだけだと言っていました。そして、実際に書く際には、あらすじや構成を決めず、最初の一行に対する反射として次の行そのまた次の行へ進んでいくのだそうです。
さらに興味深かったのが、『みずうみ』を書いた際に体験した不思議な現象。
氏は小説中にあまり固有名詞を使わない(「コトバ以前」で育った物語の形を損なってしまう恐れがあるため)ようにしているそうですが、『みずうみ』の第三章ではいしい氏自身といしい氏の奥さんの名前を持った登場人物が出てきます。これは「コトバ以前」の底のほうから存在が浮き上がってきたのだそうです。
私は最近、「メタフィクションなどでは登場人物の存在のベクトルは下層へとしか向かわないけれど(フィクション内における存在の上下移動は別として)、突き詰めるところまで書けば、この私が生きている現実的世界、もしくは実在的世界まで上昇しうるのではないか」というしょうもないことを考えていたのですが、それに類似する例があったのだと嬉しくなりました。
もっといろいろあったのですが、私の記憶力の限界です。
最後にいしい氏が「この作家は読んどいた方がいいよ」と思う三人。
小島信夫、筒井康隆、大江健三郎だそうです。
主催した立命PENクラブのホームページはこちら
以下、簡単な要点(メモとってないので適当)。
前日まで北海道にいた(これ)とのことで、少々お疲れ気味のいしい氏。最初はテンション低いのかなと思いましたが、時間が経つにつれステージ上を行ったり来たり身振りつきで講演してくれました。
大竹伸朗氏の展覧会の話からはじまり、芸術についてちょこっと触れ、自身の若いころの話へ。ジャズが好きだったいしい氏はジャズ・ミュージシャンを目指しサックスを購入。シャガールの展覧会を見て「これだ」と思い、画家を目指す。芸大を受け不合格。ポスターとかつくる会社に入って下積みをしつつ再度芸大を目指すが、そこの社長にやめとけと言われる。普通の大学を目指して勉強して京大合格。京都ではいろいろな年配の方々と知り合い、卒業。知人の紹介で東京の会社に就職。仕事をしつつも海外旅行を繰り返し、滞在中の記録を文章で書いてお土産代わりにして同僚等に配っていたところ、その滞在記がめぐりめぐって出版社へ。こうしてデビュー作『アムステルダムの犬』が出版される。あ、作家になろう、と退職願と出したところ、あっけなく受理され退職。以後、しばらく貧乏な時代が続くが、大学時代の乱読で培われた知識を武器に様々なジャンルを書き散らし、ぼちぼち仕事を依頼されるようになる。そんなんでうやむやと作家業で暮らしていましたが、自分の核となる部分が空白なことに気づく。しかし、大阪の実家に戻った際に4歳半のときに書いた物語を読んで開眼。その後は『プラネタリウムのふたご』など次々に大作を上梓するなど活躍は周知の通り。
みたいな感じ。
二時間以上ぶっ続けで喋っていたのでもちろんもっと内容は濃いです。合間合間に笑いを挟むことも忘れないチャーミングな人でした。
創作の現場のことにも時間を割いていてなかなか興味深い内容でした。
氏曰く、小説を書いているときは頭より上の「コトバ」、頭より下のほうにある「コトバ以前」という二つの領域があって、「コトバ以前」の領域のなかで書くべき物語が大きくなるのを待つのだそうです。その書くべきものがある程度大きくなって「コトバ」の領域に顔を出したとき、タイミングを見計らって掴みあげる。あとはその書くべきものの輪郭や中身を慎重に書き出すだけだと言っていました。そして、実際に書く際には、あらすじや構成を決めず、最初の一行に対する反射として次の行そのまた次の行へ進んでいくのだそうです。
さらに興味深かったのが、『みずうみ』を書いた際に体験した不思議な現象。
氏は小説中にあまり固有名詞を使わない(「コトバ以前」で育った物語の形を損なってしまう恐れがあるため)ようにしているそうですが、『みずうみ』の第三章ではいしい氏自身といしい氏の奥さんの名前を持った登場人物が出てきます。これは「コトバ以前」の底のほうから存在が浮き上がってきたのだそうです。
私は最近、「メタフィクションなどでは登場人物の存在のベクトルは下層へとしか向かわないけれど(フィクション内における存在の上下移動は別として)、突き詰めるところまで書けば、この私が生きている現実的世界、もしくは実在的世界まで上昇しうるのではないか」というしょうもないことを考えていたのですが、それに類似する例があったのだと嬉しくなりました。
もっといろいろあったのですが、私の記憶力の限界です。
最後にいしい氏が「この作家は読んどいた方がいいよ」と思う三人。
小島信夫、筒井康隆、大江健三郎だそうです。
主催した立命PENクラブのホームページはこちら
![]() | 黒水熱 (2007/09/11) ヴァシィ 章絵 商品詳細を見る |
小説現代長編新人賞受賞第一作。
帯の惹句通り、『ワーホリ任侠伝』の勢いそのままに大幅にスケールアップした作品でした。
マラリアの予防接種で一人息子を亡くしたエリカは、大物政治家の陰謀でマラリアが流行っていることをつきとめる。顔を変え、高級デートクラブ嬢となって男に接近。エリカの復讐劇がはじまった――。
ミステリーとハードボイルドの香りを匂わせつつも、ジャンルに囚われない自由なストーリー展開です。細かい断章に区切ってあるのでダレることなく最後まで読みました。要所要所に挟まれるエロ描写も効果的に書き分けられています。カオルと富樫が結ばれるところは少々強引かなという気はしますが。
個人的には西武新宿駅とか関空とかイメージがわきやすくて、すんなりストーリーに入り込めました。作中、証拠を隠そうとするところなどかなり細かいところまで書き込まれているのですが、カヌーをつかって前時代的な登場をするなど張り詰めた空気を抜く部分もあってクスリと笑ってしまいます。
全体に他の作家と比較しがたい作風で、そのへんに強みがあるなあと思いました。
![]() | 忍ぶ川 (新潮文庫) (1965/04) 三浦 哲郎 商品詳細を見る |
友人に薦められて読みました。
これは傑作です。今、手元に500円あるなら昼飯を抜いたとしてもすぐ買って読むべき本だと私は思います。
特に表題作の「忍ぶ川」。これは書こうと思って書ける話ではありません。文庫本の解説者奥野健男が「こういう作品はめったに産まれるものではない。(中略)作者三浦哲郎は、その生涯における一度か二度しかない稀な機会を見事にとらえ、そこにすべてをかけた」と述べているのも、この部分に限っては当たっています。
全収録作ハズレなしです、これは。一気に好きな作家になりました。
![]() | クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス) (2002/02) 西尾 維新、take 他 商品詳細を見る |
今さらな感が否めませんが、とりあえず読了。
講談社ノベルスはおそらく初読みです。
意外と普通の話でした。トリックも普通。ペンキの件とかは読者が気づくだろうという感じですが。
玖渚友(ヒロイン)の設定がよかった。シリーズ全部読まないとなんとも言いがたいですが、若い作家特有の浮いた描写がなかったのが好感触。
私が尊敬している教授の一人に、現代における仏教の可能性を、宮沢賢治に見出している方がおられます。近々、その方が主催する宮沢賢治の展示会があります。その展示会に向けて、今一度この名作を読んでみようと思い、購入しました。
![]() | 銀河鉄道の夜 (宮沢賢治絵童話集 (13)) (1993/06) 宮沢 賢治 商品詳細を見る |





























































