久しぶりに(?)筒井康隆。
単行本で買ったのは初めてかもしれません。
著者自らが『「大いなる助走」の平成版』と語っているように、文学や文壇の現在をメタ・フィクション的手法を使って描出してみせた一冊。「大いなる助走」が同人・同人誌をメインテーマに据えていたのに対し、ここでは出版社や編集者までを取り込み、現在の文学の衰退、出版不況といった側面を描き出そうと試みています。この小説において主題よりも前に出てきているように見えるメタ・フィクションの方法は、意識的にしろ無意識的にしろ色々な作家が取り入れていますが、筒井康隆はその円熟した手腕でより深いところまで推し進めています。つなぎは唐突なのに違和感を感じさせる前にページを繰らせる力は圧倒的です。
しかし、話が面白いかというとそれはまた別で、佳作の域を出ないような気がします。著者には百歳くらいまで生きてもらって平成が終わったあとも新しい「大いなる助走」を書いてもらいたいものです。
単行本で買ったのは初めてかもしれません。
![]() | 巨船ベラス・レトラス 筒井 康隆 (2007/03) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
著者自らが『「大いなる助走」の平成版』と語っているように、文学や文壇の現在をメタ・フィクション的手法を使って描出してみせた一冊。「大いなる助走」が同人・同人誌をメインテーマに据えていたのに対し、ここでは出版社や編集者までを取り込み、現在の文学の衰退、出版不況といった側面を描き出そうと試みています。この小説において主題よりも前に出てきているように見えるメタ・フィクションの方法は、意識的にしろ無意識的にしろ色々な作家が取り入れていますが、筒井康隆はその円熟した手腕でより深いところまで推し進めています。つなぎは唐突なのに違和感を感じさせる前にページを繰らせる力は圧倒的です。
しかし、話が面白いかというとそれはまた別で、佳作の域を出ないような気がします。著者には百歳くらいまで生きてもらって平成が終わったあとも新しい「大いなる助走」を書いてもらいたいものです。

































































