![]() | 塩狩峠 (新潮文庫) (1973/05) 三浦 綾子 商品詳細を見る |
ある人に「号泣するよ」と勧められた一冊。どうやらこの話は北海道の塩狩峠で起こった事件をもとにしているようで、臨場感あふれる内容となっています。そして、主人公の信仰が仏教からキリスト教へと転換していく点がおもしろいです。著者の文章からは、自身のキリスト教に対する信の側面と、北海道への愛着心をうかがうことができます。私も北海道出身ですが、私が考える北海道の魅力とは異なった側面が描かれていて、戦争直後の北海道というのは、いわゆる「おちこぼれ」が集まる場として描かれています。私はそのような歴史を意識したことがなかったので、新たな北海道観を知ることができたと思います。
この本を勧めてくれた人のように、号泣するとまではいかなかったけれども、著者の人間を観察する力には圧倒されました。特に、著者は女性であるにもかかわらず、男性の性的欲求や自尊心などの側面を、これでもかというくらい詳細に、そしてやさしい文章で表現しています。このように描けることが不思議とさえ感じてしまう一冊でした。

































































