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Author:とんび
とんび出版という文芸創作団体の大山三ダース、満天スモッグ、原想一朗による日々の雑記です。

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日本がアメリカを赦す日
 私の知人に、仏教における「悟り」とジークムンド・フロイトの理論を重ね合わせて研究している人がいます。その人が「これおもしろいよ」と勧めてくれた本。
日本がアメリカを赦す日 (文春文庫)日本がアメリカを赦す日 (文春文庫)
(2004/06)
岸田 秀

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 私はフロイトについて、あまり詳しくはないですが、その知人の話を聞くたびにフロイトの理論に興味をひかれます。この間、アインシュタインの展示会を観る機会がありましたが、フロイトとアインシュタインが手紙のやりとりをしていました。その内容は、アインシュタインを主体とする平和活動に参加して欲しいという彼の要望に、フロイトが賛同するという内容でした。当時の知識人がいかに結びつきが強く、実践的に活動していたかを物語ってたように思います。
 さて、話が最初からそれてしまいましたが、この本の著者もフロイトにかなり影響を受けた一人です。この方は、「史的唯幻論」という説を主張していることで有名らしいのですが、簡単にいうと、人間というのは本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」によって行動しているのにすぎない、という説です。この本では戦後の日本とアメリカの関係とその歴史を、史的唯幻論に基づいて説明しています。そして、著者はアメリカの子分となってしまった日本を、「強姦された女性」にたとえて説明します。多少過激な表現ではありますが、この本を読み進めていくのに従って、「なるほど」と思えてしまいます。「内的自我」「外的自我」という言葉が出てきますが、世間一般にいえばこ「本当の自分」「偽りの自分」ということができるでしょう。個人はこの両面性を兼ね備えているのです。著者はこのことを、個人から集団に発展させて、集団でも同じ事がいえると証明します。つまり、日本とアメリカとの関係における、日本の内的自我と外的自我の葛藤を歴史的に示しています。この点が非常におもしろかったです。
 ただ、やはり著者の思想の最も根本的な部分である、「人間は本能の壊れた動物である」ということ理解することが最も大切であると思いました。おそらくこの部分がフロイトの発揮であるのですが、私は一度読んでみてこの部分をすっきりと理解する事ができなかったので、再度追求してみたいと思います。

原想一朗の日記 | 【2007-10-28(Sun) 23:38:55】
Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント

こんにちは。
RSSでみかけてきました。

岸田秀は大変面白いです。
著作は50作以上ありますが、処女作の『ものぐさ精神分析』中公文庫、割と最近の『唯幻論物語』文春新書を読まれると、より理解が深まるでしょう。お勧めです。
2007-10-30 火 12:42:55 | URL | キシディアン #- [ 編集]

キシディアンさん、助言ありがとうございます。
後から聞いた話によると、岸田さんの本は、教育実習の課題書にもなったりしているみたいですね。
今回の本は借りて読んだので、今度は自分で購入して、初作の『ものぐさ精神分析』から読んでいきたいと思っています。
またの御閲覧をよろしくお願いします。
2007-10-30 火 13:17:06 | URL | 原想一郎 #- [ 編集]
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