![]() | 黒水熱 (2007/09/11) ヴァシィ 章絵 商品詳細を見る |
小説現代長編新人賞受賞第一作。
帯の惹句通り、『ワーホリ任侠伝』の勢いそのままに大幅にスケールアップした作品でした。
マラリアの予防接種で一人息子を亡くしたエリカは、大物政治家の陰謀でマラリアが流行っていることをつきとめる。顔を変え、高級デートクラブ嬢となって男に接近。エリカの復讐劇がはじまった――。
ミステリーとハードボイルドの香りを匂わせつつも、ジャンルに囚われない自由なストーリー展開です。細かい断章に区切ってあるのでダレることなく最後まで読みました。要所要所に挟まれるエロ描写も効果的に書き分けられています。カオルと富樫が結ばれるところは少々強引かなという気はしますが。
個人的には西武新宿駅とか関空とかイメージがわきやすくて、すんなりストーリーに入り込めました。作中、証拠を隠そうとするところなどかなり細かいところまで書き込まれているのですが、カヌーをつかって前時代的な登場をするなど張り詰めた空気を抜く部分もあってクスリと笑ってしまいます。
全体に他の作家と比較しがたい作風で、そのへんに強みがあるなあと思いました。

































































