![]() | 移動都市 (創元SF文庫) (2006/09/30) フィリップ・リーヴ 商品詳細を見る |
60分戦争で文明が荒廃した遙かな未来。世界は都市間自然淘汰主義に則り、移動しながら狩ったり狩られたり、食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反撥する反移動都市同盟にわかれて争っていた。移動都市ロンドンに住むギルド見習いの孤児トムは、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けるが…。過酷な世界でたくましく生きるトムとヘスターの冒険。傑作シリーズ開幕。
ハリーポッター並に読まれいてもおかしくない面白さ。
写実的なカバーイラストから想像される硬派なイメージを裏切る、王道だけれども実に読みやすい一冊でした。この厚さの文庫で千円は少々値が張る気もしますが。
舞台は遠未来。都市淘汰主義が正義となった時代。
タイトルに偽りなく大小さまざまな都市が移動し、狩り狩られを繰り広げています。
この舞台設定だけでもわくわくするんですが、平凡ながら自分の気持ちに正直な少年、悲惨な過去を持ち顔に傷を負った無愛想な少女、一介の屑拾いからトップに登りつめた男と甘やかされて育てられたその娘等々魅力的な人物が生き生きと物語内を駆け、それぞれ傷つきながらも強く生きていきます。なんというか、へスター(顔に傷を持つ少女)がいいんですよ、へスターが。少年が好きそうな少女とでもいうんでしょうか。アマゾンのレビューに宮崎アニメ云々とありますが、確かに映像的イメージを下敷きに、というより映像化を既に見越して作られている気がしました。私が然るべき立場にあるならば映像化の権利を買い取りたいくらいです。
六年の歳月をかけて書き上げたというだけあって、ラストまで緩みのないストーリーでした。引きも上手く、ちゃんと一冊として完結した上で後の設定につながるような終わり方です。
面白い本を読むときは大抵最後まで息つかずに読みますが、この本は逆にまだ終わらないでほしいと頁を繰る手を止めたくなるような愛着を感じました。
四部作らしいのでとりあえず出てる分を読みたいと思います。

































































