![]() | 和解 志賀 直哉 (1949/12) 新潮社 この商品の詳細を見る |
主人公順吉は父の京都来遊に面会を拒絶し、長女の誕生とその死をめぐって父の処置を憎んだ。しかし、次女に祖母の名をかりて命名したころから、父への気持も少しずつほぐれ、祖母や義母の不断の好意も身にしみ、ついに父と快い和解をとげた……。肉親関係からくる免れがたい複雑な感情の葛藤に、人間性に徹する洞察力をもって対処し、簡勁端的な手法によって描写した傑作中編。
『暗夜行路』よりも志賀直哉の生活を直接に反映した作品です。情景描写や急激な場面展開はまったくなく、主人公も人間としてどうしようもない男ですが、それでも小説として見事なほど熟れきっています。志賀直哉の人間について書いた本などを読むと、おそらくこんな感じのどうしようもない男であっただろうと知れます。しかし、書いたものは素晴らしい。描かれている人間の性格等に嫌悪を示す人も多いようですが、この人しか書けないと言われている文章そのものは一読の価値があります。
































































